八代彩展―静と動・韻と陽の階律ー
繊細かつ大胆な筆致や表現力を駆使し、「静と動」「韻と陽」をテーマに自らが魅せられた自然美を画業約70余年に渡り描き続けた日本画家・八代彩。堂々とそびえる富士、荘厳なアルプスの山脈。風にざわめく深き森の木々、翔び立つ鳥。静謐さの中に秘められた底知れぬ強さ、息を吞むような神秘的な情景の数々。水墨と彩色が織りなす日本画の幻想世界をご堪能ください。
本展は、八代の地元・千曲市での個展開催を記念し、山脈や森をダイナミックに描いた八代の代表作品を中心に、故郷・千曲市の名所「杏の里」や日本遺産「月の都千曲」の拠点を描いた郷愁あふれる近作を含む、約40点を展示します。さらに、画材・挿絵原画・色紙・幼き日より現在に至るまでの写真、そして、展覧会目前の8月29日に急逝した八代氏を偲び、展覧会作成資料として撮影したインタビュー&色紙制作の様子を特別上映いたします。
【特別展示】『丹浪・彩・美友・重友ー日本画一家の系譜』
父・丹浪、長男・彩、二男・美友、三男・重友ともに優れた日本画家である倉島一家。四人四様の作品世界を巡ります。
【会期中イベント】ギャラリートーク:「八代彩氏を偲ぶーその作品世界と日本画の魅力」
■特別ゲスト:倉島重友(日本画家・日本美術院同人・千曲市名誉市民)
11月16日(日曜日)13時30分~(要当日観覧券・電話での事前予約可)
地元千曲市での個展開催を目前に逝去された八代彩氏を偲び、八代氏の人となり、作品世界、日本画の魅力についてギャラリートークを開催します。
作家が生涯追い求め続けたテーマ、「静と動」「韻と陽」の深い味わいが誘う感動をご体感ください。
八代彩展ー屏風作品をはじめとする大型作品を中心に展示。荘厳なる日本画の幻想世界が約300平米の大空間に広がりますー
《波》紙本彩色・屏風
大洗で遭遇した台風の日の「波の凄まじい様相」に八代がインパクトを受けて制作した迫力満点の大作品です。
《風》紙本彩色・屏風
静寂が包む森の中、吹き抜ける風、神秘的に照らす月の情景が作る八代の幻想世界が存分に表れています。
《飛ぶ》
紙本彩色・50号
旅立ちの時を迎えた鳥の飛翔が繊細な背景の空・木々の描写により力強さを増しています。
《残雪の月・冠着山》
紙本彩色・30号
富士やアルプスを中心に描く作家が、故郷の日本遺産「月の都・千曲」をテーマとした企画展のために描き下ろした近作。
《展示の様子》
神秘的な森の情景、飛び立つ鳥、月の光が印象的な作品群とともに、八代が故郷の情景を描いた郷愁あふれる作品群を一挙展示。
《展示の様子》
八代が生涯愛し続けた富士、渡欧後に得た心象風景を描いた異国情緒あふれる3作品、終章を飾るのは、ダイナミックな迫力に満ちたメインビジュアル作品「波」
学生時代の作品から生涯愛した山作品、画材やスケッチ、挿絵下図に加え、八代氏のインタビュー映像(今年6月に収録)を展示します。
幼き頃から画家となるまでの道のり、画業に寄せる思い、色紙作品制作の様子を収録した特別映像から、本年8月29日に展覧会を待たず急逝された八代彩氏に想いを馳せていただけましたら幸甚です。
「自然の表情」
自然は無言である。無言であるがゆえに驚くほどはっきりと、その喜怒哀楽を表情に表す。
物哀しい夜の静けさ、希望に燃える太陽の光、荒々しい波の乱舞、ささやくような風の音色。それらのポーズの中に時として、はっと目を奪われる様な美しさを発見することがある。動の中の静、静の中の動、私はそのすべてが好きだ。
そして、そんな自然を描くことに限りない愛着を感じる。己が、その自然と一体となり画面に溶け込んでいくことができれば、私にとって、それは無常の喜びである。
八代彩
【会期 】2025年10月18日(土曜日)→11月16日(日曜日)
【観覧時間】9時~17時(入館は16時30分まで) |
【休館日】月曜日(祝日11月3日は開館)・ 祝日の翌日(11月4日火曜日)
【観覧料】一般300円/高校生150円/中学生以下無料
【会場】千曲市アートまちかど
〒387-0007長野県千曲市屋代2176-2 電話・ファックス 026(272)4152
しなの鉄道「屋代駅」車5分徒歩15分・長野自動車道「更埴IC」車5分
【主催】千曲市
【会期中イベント】11月16日(日曜日)13時半~(要当日観覧券)
ギャラリートーク『八代彩を偲んでーその作品世界と日本画の魅力ー(特別ゲスト:倉島重友(日本画家・日本美術院同人・千曲市名誉市民)
(電話による事前予約(限定40名)可能)(状況により入場制限となる場合がございます。)
【問い合わせ・予約】026-272-4152(千曲市アートまちかど)
お問い合わせ先
文化課
〒387-0011
長野県千曲市杭瀬下一丁目64番地
電話番号:026-273-1880
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更新日:2025年10月17日